<パラソルのあるレストラン>


北イタリア、湖水地方で一番大きな湖、ガルダ湖。 その湖につき出るように位置するシルミオーネは、北方から アルプスを超えてやってくるドイツ人のバカンス客でいっぱい。 湖に面した内庭にあるペンションで毎朝ゆったり朝食をとった後、 バカンス客に混じって絵を描く。
これは町なかにあったホテル・レストラン。イーゼルを立てて描き始めると ホテルの従業員が出てきて、キートンの映画よろしく ソファのカバーについている青いリボンを、小指を立てて結び直した。
町の中にはいつも湖から、心地良い風がとおりぬけていた。